Investment Idea 2026.01

ミタチ産業

自動車向け半導体の商流拡大 × EMSの受注堅調

⚠️ 本レポートは情報提供を目的としており、投資勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

目次

01

エグゼクティブサマリー

ミタチ産業は、半導体・電子部品の販売に加え、EMS(受託製造)や設計開発、設備販売までを重ねる"エレクトロニクス総合商社"

足元は自動車分野向け半導体の販売拡大が牽引し、上期は増収増益。会社は通期予想(売上1,100億円、営業利益24.5億円)と年間配当70円を上方修正しており、「成長の持続」が確認できれば見直し余地がある

一方、在庫増が進んでおり、市況反転局面では評価損・キャッシュ悪化のリスク。次の決算で、粗利率・在庫・営業CFの改善(または悪化停止)を確認できるかが鍵

02

投資スタンスと"何に賭ける銘柄か"

投資スタンス
強気(条件付き)
条件 在庫の膨張が止まり、粗利率が下げ止まること

一言で"何に賭ける銘柄か"

「自動車向け半導体の商流拡大 × EMSの受注堅調」が一過性でなく定着することに賭ける銘柄。

03

結論とカタリスト

自動車向け半導体の伸びが継続

売上増の主因が自動車

海外EMSの堅調継続

海外セグメントの底上げ

在庫増が一巡

キャッシュ創出へ転換(営業CFの改善)

増配の実行

年間配当70円と還元継続(下値の支え)

再上方修正期待

上方修正後も進捗が強い→ガイダンス更新

中計ターゲット進捗

売上1,000億・営利30億・ROE10%の可視化

新拠点の実績化

インド等の立ち上げが"オプション価値"から"実績"へ

04

上がる理由とタイムライン

上がる理由(材料)

  • 成長ドライバーが自動車中心に寄っている 構造テーマ(車載の電子化)に乗ると数量が伸びやすい
  • 費用率改善で増益を確保しやすい局面 粗利率が弱くても販管費率の改善が効く可能性
  • 株主還元(増配)が評価軸になりやすい 利回り・配当安定性の再評価
  • バリュエーションが"持続成長"を強く織り込んでいない 成長の継続が見えるとリレーティング余地

タイムライン

短期
次回決算まで

自動車向けの継続性、粗利率の下げ止まり、在庫の増勢鈍化が確認ポイント

中期
通期決算〜来期見通し

中計の進捗と来期の成長再現性(ガイダンス)が株価ドライバー

長期
1年程度

海外/新拠点の立ち上げが"売上・利益の実数"として寄与するか

05

強気継続のチェック項目

A. 需要・商流(売上の質)

  • 自動車向け売上が、四半期で凸凹しても"基調として底が上がる"
  • 国内セグメントの伸びが維持される

B. 収益性(粗利・費用)

  • 粗利率:悪化が止まる(横ばい〜改善)
  • 販管費率が悪化しない(増収効果 or コスト抑制が効く)

C. 財務(運転資金)

  • 棚卸資産:売上成長以上に膨らまない
  • 営業CF:安定してプラス(運転資金の吸収が一服)

D. ガイダンス

  • 通期予想に対する進捗が強く、上振れ・再修正の余地が出る
06

事業概要(ビジネスモデル)

何を誰にどう売って儲けるか

何を

半導体・電子部品、基板/モジュール、EMS(実装〜組立)、設計開発、設備・副資材、IoT/DX支援

誰に

自動車・民生・産業機器などのメーカー(BtoB)

どう儲ける

  • 商社マージン(部材販売)
  • EMS/設計開発の付加価値(調達・実装・品質・量産立上げ支援)
  • 調達/在庫/物流の最適化(供給安定性が価値になる局面)
07

売上構造と粗利の源泉

売上の構造

  • 製品:部材販売(半導体・電子部品)+EMS/開発/設備
  • 顧客:自動車分野の寄与が大きい
  • 地域:国内中心、海外も一定比率(海外EMSなど)

粗利が出る源泉(商社以上の付加価値)

単なる流通だけでなく、以下を組み合わせ、案件単位で付加価値を取りにいくモデル:

🔧 技術支援(選定、置換、品質対応)
🏭 EMS(調達〜製造までの一括)
📦 供給安定(調達網・在庫・物流)
08

業績ドライバー

(最重要パート)

売上が伸びる条件

  • 自動車向けの商流が継続・拡大(新規案件・採用拡大・供給安定の評価)
  • 海外EMSの受注が維持(稼働率の安定)
  • 新拠点の顧客獲得が進む(立ち上げが遅れるとオプション価値が剥落)

利益率が動く条件

  • ミックス:部材販売比率 vs EMS/設計比率、車載比率
  • 価格転嫁:物流費・人件費・調達コストをどこまで転嫁できるか
  • 稼働率:EMSの稼働率低下は採算を直撃しやすい

感応度(在庫・為替・市況・金利)

在庫(最重要)

在庫の増減が営業CFと評価損リスクを左右

市況

半導体需給が緩むと、数量・単価・在庫評価に逆風

為替

海外売上があるため、円高は逆風になり得る

金利/資金繰り

運転資金増局面では調達コストが効く

09

競争環境・強み

近い企業群

加賀電子 商社+EMSの色が強い
マクニカホールディングス 規模・成長期待の評価がつきやすい
シンデン・ハイテックス 専門商社色
リョーサン菱洋ホールディングス 統合による規模メリット

ミタチ産業の"違い"

  • ワンストップ(商社+EMS+設計+設備)の打ち出し
  • 自動車領域では、品質・納期・トレーサビリティ対応が評価されるとスイッチングコストが生まれやすい
  • EMSはネットワーク・立ち上げ力・稼働管理が参入障壁になり得る
10

バリュエーション

(指標は変動するため「考え方」を中心に記載)

使う指標

  • PER:利益成長の持続性に対する市場の評価
  • PBR:資本効率(ROE)・事業の質への評価
  • 配当利回り(補足):還元姿勢が下値支持要因になるか

"何が織り込まれているか"の言語化

織り込み(弱め)

足元の好調が"ピーク"で、持続性は限定的

織り込み(強め)

在庫増や市況反転で利益が振れやすい

→ したがって、持続成長(自動車×EMS)と在庫管理が確認できると見直しが起きやすい

11

リスクと先行指標・回避策

1

自動車向け販売の減速/商流変更

最も痛い

兆候:国内売上の伸び鈍化、分野別コメントのトーン低下

対策:顧客集中度・案件継続性の確認、四半期の前年差だけでなく前四半期比も追う

2

在庫増→評価損/キャッシュ悪化

兆候:棚卸資産の増加が継続、営業CF悪化

対策:在庫回転、売上債権、粗利率のセット監視

3

EMS採算悪化

兆候:粗利率の連続低下、海外セグメント利益の悪化

対策:受注の質(単価・数量・仕様変更)をIRで確認

4

市況悪化(半導体サイクルの反転)

兆候:顧客側の在庫調整コメント、受注リードタイム短縮

対策:顧客業種の温度差(車載/産機/民生)を分けて見る

5

為替(円高)・金利上昇

兆候:海外売上比率上昇局面での利益率低下、支払利息増

対策:為替感応度の開示有無確認、調達構造(短期/長期)を把握

6

サイバー/システム障害

兆候:追加費用・復旧遅延の開示

対策:再発防止投資、運用体制の進捗を確認

12

次に見るべきデータ

決算で見るべきKPI

  • 国内/海外セグメントの売上・利益の推移
  • 粗利率、販管費率、営業利益率
  • 棚卸資産・売上債権・買掛金(運転資金のバランス)
  • 営業CF(在庫増が止まったか)
  • 通期予想の進捗、修正の有無

IRで確認したい質問

自動車向け

伸びている商材は何か、継続性(契約/更新/価格条件)はどうか

在庫

増加の内訳(長納期品・先行手当の割合)と適正在庫の考え方

EMS

主要案件の採算管理(コスト転嫁、稼働率、歩留まり)

海外/新拠点

獲得顧客数、受注残、損益分岐の目線

セキュリティ

再発防止策と追加コスト見込み

13

次のイベント日程

会社イベント

2026年4月上旬(想定) 第3四半期決算発表
2026年7月上旬(想定) 通期決算発表
要確認 配当支払スケジュール

※日程は会社IRカレンダーで最新情報を確認してください

業界イベント

電子部品・実装系展示会(基板実装、電子部品、半導体製造装置関連の大型イベント)

目的:EMS需要、サプライチェーンの温度感、顧客の投資姿勢の把握

免責・注意事項